ドイツに行くまでの準備編や、帰国後の感想等を雑多に書いてみました。
学生時代、教養課程で第2外国語を選択することになったのですが、私の場合、学科の方からの指導で何も考えずドイツ語を選択することになりました。
語学が超苦手な私は、英語と共にドイツ語の成績も超低空飛行。当時習った単語もほとんど覚えていないと言っていいほどです (^^;
そんな中で覚えているのはドイツ語のテキスト。 'Der(Die?) Rein' だっけな?ライン川の周辺やロマンチック街道の紹介しながらドイツ語を学ぶものです。そこで見た中世ヨーロッパの城や川沿いの景色の美しさが非常に印象に残りました。中身はやっぱり覚えてないんですが (^^;
最近、「久しぶりに海外旅行(さらに言うとサイクリングで海外に行く)をしたいなぁ。」と思い、後輩がフランス旅行に行ったりサッカーのワールドカップで盛り上がったりと、なんとなく「一度も行ったことのないヨーロッパかな」と思うようになりました。
ヨーロッパと言っても広いですが、ここで思い出したのが学生時代のこと。しかもドイツはビールとソーセージのふるさとではありませんか。
もうこの時点で私の選択肢は一つに絞られていました(単純だなぁ。。。)。
仕事の関係で98年春から8月一杯まで激忙しモードだった私は、出発を9月にしようと思い、7月中頃、雑誌「格安航空券ガイド」を購入しました。日程の希望としては9/12-20までの9連休を考えてたのですが、ドイツへ行く選択肢が少なかった。フランクフルト直行のルフトハンザ・JALがいいとは思いましたが、15万以上もすると言われちょっとブルーになってしまいました。
結局アジア系航空会社がいいということで、その中でも途中で宿泊不用の大韓航空(10.5万)に決定。しかし!ソウル−フランクフルト間は簡単に取れたのですが、この時期、成田−ソウル間は飛び石休暇を利用した短期ツアーが多かったのか、待てど暮らせどキャンセル待ちの状態でした。早めに予約しないと駄目ですね。
仕方がないので別の日程に変更しようと思ったのですが、9/26は会社の先輩の結婚式、10/9が会社の部署旅行(結局延期になった (--;)と、どうも予定が詰まっています。かと言って、あまり出発時期が遅いと寒いので、サイクリングをするつもりの私には辛い。仕方がないので、9/27-10/5までという変則の日程にしました。出発のフライトは9:30。前日の2次会で、盛り上がりすぎて起きれんなんてことないだろうなぁ…と心配でした(まぁ、無事乗れたので心配は取り越し苦労に終りました)。
チケットの方は、マッ
プツアーで予約しました。8.5万なり。この時期の出発日の違いによる価格
差は大きいですね。マップツアーは私の寮の近所なら横浜駅の近くにも事務所があって、「ツーリストカフェ」で旅行ガイドブックが参照できるのも便利です。
私の今回の旅行は「サイクリング」。どこを走りたいかでコースは決まります。基本的に「ロマンチック街道」を走ると決めてたのですが、これを軸に交差する「アルペン街道」「古城街道」も含めて距離を計算しながらコースを出そうと思いました。
検討の結果、結局アルペン街道はパスして、列車でフュッセンの周辺まで移動し、ロマンチック街道をローデンブルグまで走り、あとは古城街道を行ける所まで行って、最後はまた列車でフランクフルトに戻るつもりでした。この方がロマンチック街道は下り道になるし、フランクフルトに近づく方が最後の時間の調整も容易です。
しかし、、、この時期、ミュンヘンで「オクトーバーフェスト」なる大ビール祭りが開催されることを知ってしまいました。ビール好きの私にとってこれに行かずして何をしにドイツに行ったのかわかりません (^_^) これはドイツ旅行のファイナルに持っていくしかないでしょう、ということで、急遽、コースを逆行させることにしました。
この際気にしたのは、ロマンチック街道のコースを逆にすることで、結構な坂になるのではないか?ということ。とりあえず本屋で適当にガイドを漁ると、フュッセンが標高約800m、私が通るコースで一番低そうなところが100m位で、「まぁ、700mくらいなら許容範囲やな。」と強引に?納得して敢行することにしました。
私が主にサイクリングコースの距離計算と言う点で参考にしたのは、地球の歩き方のヨーロッパドライブ(正式名失念)で、古城街道/ロマンチック街道のコースガイドが載っていたのでこれを参考にしたくらいです。後は他の地図を参照して標高関係をある程度調べるだけで、あまり細かい距離計算までせずに現地に乗り込みました。結果的には想定していたコースの変更の連続で、宿で毎日コース検討と言ったところでした。実際の話しは、報告を御覧下さい。
安心料と思って東京海上の海外保険を申し込みました。トラブル時に配当金の違うコースがいくつかあって、さらに短期の場合は数日単位で料金が違います。私の旅行は全部で9日間。となると11日以内の値段になるのですが、8日以内の値段と比べると下の方のクラスでも千円くらい違います。でも、最終日は飛行機の中なんでケチって8日以内で申し込んだのですが(セコい…)、「現地の日数ではなく、日本を出発してから帰国するまでの日数でないと契約できないんですよ。」と言われてしまいました。なんでやねん。ちょっとむすっとして、「ほんなら飛行機の中のトラブルも責任持ってくれるんやな。」てカラんじゃいましたけどね。
まぁ冷静に考えると、旅行日程より短い契約を認めると、実は契約期間外でケガ
したのに契約期間内に事故ったように見せられるかもしれませんから、ある意味
当然なのかも。
頻繁に旅行に行く人はゴールドカードやアメックスが取得できたりすると便利で
すね。1999年秋頃からはセゾンアメックスができたので比較的容易に取得できそ
うです。
今回のサイクリングはテントを持っていくつもりはなく、”安い”宿を見つけて移動するつもりでした。自転車の場合、必ずしも予定通りに進まない場合もあるし、普段私は、宿の予約をほとんどせず飛び込みで宿を決める場合が多いです。ただ海外の場合、言葉の問題もあるので国内ように電話で自在に予約・取消ができないと思うし、ちょっと不安な所がありました。
今回不安だった要素が特に3点。まず、初日の便がフランクフルト18:10着なのですが、宿泊がどうなるかフランクフルトに泊まるつもりはなく、サイクリング出発地点であるハイデルブルグくらいまで移動しようと思ってました。それにも関わらず宿を予約するつもりはさらさらなく(^^;、夜着いて探し回るので大丈夫なのかなぁと言うことでした。最初くらい目星つけるべきかなぁ…と思ったりもしました。
もう一つは、貧乏旅行の強い味方と言えばユースホステルなのですが、なんとバイエルン州は26才以下しか泊まれない!(ちなみに小生29才)他の州でも27才以上は料金が上がります。ロマンチック街道はほとんどバイエルン州。ドイツを自由旅行するのなら、若いうちに行っとけと言うことでしょうか (--;
さらに、ミュンヘンで宿泊する場合、オクトーバーフェスト等のイベントがあると宿は不足している上に価格も急上昇するようです(2.5〜3倍くらいは普通です)。
さて、色々不安な点が多かった宿探しですが、バイエルン州のユースホステルでも泊まることができました。私が参照した地球の歩き方の記述が間違っていたのか、季節柄繁忙期ではないから泊まれたのかどうかはわかりませんけど、御報告まで。
また、初日以外にもニュルンベルグに着いた日も夜遅かったのですが、それなりの大きさの街だと、ある程度遅くても大丈夫だと思います。「ガストホフ」という食堂/飲屋の上を宿泊施設にしている宿屋だと、遅く迄やっていると思います。もっとも、宿を探し回る必要がありますし、夜の街は日本と比べると相当暗く感じると思うので、特に女性には早め/事前の宿探しをお勧めします。値段的には、YH抜きで貧乏旅行を貫くのは大変そうです。
ドイツへ行くのにどの程度お金を持っていけば良いのかがさっぱりわかりませんでした。多く持っていけば問題ないのはわかっているのですが、たくさん余らせた後のことを考えたり、元々大金を持つのが嫌いな貧乏症なので、最小限に押えたいものだと思いました。
以前、カナダに行った時はTCを持っていったのですが、アメリカと同様スーパーでもカードが通じる国。結局なるべく現金を使うようにしましたが、宿泊がYH中心の貧乏旅行だったこともあって、それでも相当余ってしまいました。
もっとも、ドイツがカナダと同様にカードが通じるかわかりませんし、今回はYHにあまり泊まれないだろうという問題がありました。そこで、先日新婚旅行でドイツを訪れた先輩がいたので聞いた所、「新婚旅行で泊まるホテルや、行くレストランならカード使えたで。もっとも藏前(私です)の求めるレベルでどのくらいカードが使えるかわからんけど。」という答え (^^;
でも、先輩に国際キャッシュカードのことを教えてもらいました。海外で日本の預金口座から現地通貨で引き出せるというもの。ドイツには利用可能なCD/ATMが3万台以上もあり、24時間稼働の所も多いそうです。引出し時の手数料はVISAのレートに3%乗せたもの+引き出し1回200円です。結局、基本的にはなるべくカードで買物をして、キャッシュは400DMだけ持って、残りは現地で国際キャッシュカードで引き落とすことにしました。ドイツはT/Cの換金時の手数料が意外とかかると地球の歩き方に乗ってたし、面倒なのでやめることにしました。
そこで、口座を持っていた住友銀行の国際キャッシュカードを申し込んだのですが、
「10日くらいかかる」とのこと。ちなみに申し込んだのは9/14です (^^; 9/23に
無事到着したんですが、やっぱりもっと余裕を持って準備しないとなぁ。届いて
なかったらどうしようか… (^^;
ちなみに、私は郵便貯金をVISA(セゾン)にしているのですが、1999年のを見る
と国際キャッシュカードのマークが裏に付いていますね。これって郵便貯金の口
座から引き落とせるのかな?(VISAの方かも)落せるのなら無料で持てるので便
利ですね。
さて、事後報告ですが、実際カードは使えなかった所も多かったですね。最初と最後の2泊は100DMのペンションだったのですが、両方ともカードは駄目だったです。観光地の土産物屋は比較的カードが使えましたけど。JCBが使えるかどうかが、「日本人人気観光地」かどうかの見定めでしょう (^^; 例外的に便利だったのは鉄道の切符で VISA が使えたこと。これは日本も見習って欲しいです。
国際キャッシュカードは3回くらいしか引き出してないのですが、いずれも観光地で、銀行が集まっている所をうろうろすると、(ドイツ銀行とか)簡単に利用可能な所を見つけることができました。田舎の方で引き出してはいないので、どこまで全国的に浸透しているのかわかりません。
ドイツでは英語を習っているようなんで、若い人は問題なく英語を話せるらしいと聞いていたのですが、サイクリングの場合、とんでもない田舎に泊まることになるかもしれません。また、「やっぱりその地域に行くのに、そこの言葉を覚える努力をしないのは失礼なもの。」と思い、最低限の話ができるようにしようと、JTBの「ひとり歩きのドイツ語自由自在」を購入しました。
購入したからには多少なりとも勉強しようと思ったんですが…。いや〜やっぱり覚えるの大変ですね r(^^; 一応学生時代ドイツ語取ってたんだけどなぁ。これじゃあ何もやらないのと一緒だなと思いました。
実際の所、観光地などでしたら、みんなある程度の英語がしゃべれるのであまり困ることはありませんでした。向こうが喋った英語が難し過ぎて、聞きとれなくて困ったこともありましたが (._.; ただ、ちょっと田舎に行ったり年配の方と喋ったりすると、やっぱり英語だけでは通じなくなります。本当に困った時用に会話集が手元にあると便利ですが、普段頻繁に使いそうな数字と食事、宿探し、道を聞く、列車/バス案内に必要な最小限の単語(難しいことはどうせ覚えられない)は覚えておいた方がいいと思います。後はゼスチャーで何とかするという感じですかね (^_^)
私が特に事前勉強しておけば良かったと思ったのは食事のメニューです。せっかく向うで洒落たレストランに行ったとしても、何を食べたいのか伝えることができませんからね。また、ソーセージはドイツ語で wurst(ブルスト)としか覚えていなかったのですが、なんちゃらブルストというのが一杯あって、食事メニューの単語としては全然役に立ちませんでした (^^;
また、いくら英語が通じるからといって、やっぱり挨拶くらいは現地の言葉を使った方が好感がもられるのではないかと個人的には思います。
どうも私の今回の旅行を「ビール飲んでソーセージ食う」のが目的だと勘違いされている方が多々いるのですが;)、実際、主目的ではない(本当だって!)にしても、本場ドイツのビールとソーセージは非常に楽しみでした。そして、見事にこの期待に応えてくれました (^_^)v
私の場合、imbiss(インビス)というドイツの立食もできるファーストフードみたいな所か、肉屋に寄ってソーセージ&パン(白い丸パン)とビールを買って昼食を取るのが旅行のお決まりパターンになってました。特に肉屋なら自家製のソーセージ&ハムが目の前で指さして注文できるので想定通りのものが出る (^^; しかもうまい!;)すっかり病み付きになりました。
また、世界最大のビール祭りオクトーバフェストは、人は多いし迫力に押されっぱなしと、ゆっくり飲むというわけにはいきませんでしたが、本場の雰囲気を十分味わえたと思います。飲ん兵衛を自認する人は機会があれば是非。
さて、私の旅行を事前に知った各方面から、「ビール/ソーセージくれ」コールの大合唱が起こったんですが、行きの成田空港で、「海外の肉製品の持ち込みは、検査証明書がないと駄目」書いてあるパンフレットを発見してしまいました。
これによると、アメリカ/カナダ/オーストラリア/ニュージーランド/韓国/シンガポール/香港だと日本向けの検査証明書の付いた製品が売ってるのですが、ヨーロッパなんかだと免税店で売っているものでも駄目なようです。
一応空港から動物検疫所に電話で確認したけど、この時は駄目と言われました (;_;) 真空パックならいいかどうかまでは確認してません(駄目な気がしますが…)
代わりと言っては何ですが、ビールを1ケース郵送することにしました。ビールの値段は500mlで1本100円程だったんですが、郵送料が1万円以上しました (^^; 旅の途中で購入したことや関税のことを考えて船便郵送にしたのですが、無理して手で持ち込めば、荷物が大変だけど相当安かったでしょうね。
御参考までに、動物検疫所成田支所の連絡先は、0476-32-6664(第1ターミナル)、0476-34-2342(第2ターミナル)です。正確な内容は動物検疫所で確認を。
後でわかったのですが、農林水産省動物検疫所のホームページがあって、そこにも多少情報が載ってます。
日本でのコース計画段階で地図を買おうと思ったのですが、値段が高かったのとあまり気に入ったのがなかったので、結局、現地に着いてから、BVA社の ADFC-Radtourenkarte と言う地図を購入しました。自転車のツーリング向けの地図で、標高もわかる(と言っても日本のツーリングマップル程詳しくはない)上、お勧めコース?が載っているので購入しました。
実際走ってみて、距離は日本で想定したのとあまり誤差はありませんでした。しかし、想像以上に丘のアップダウンが多かった。平均走行距離を70Km/1日ならのんびり走れると思ったんですが、真面目に走って丁度こんなものでしたね。海外だし色々観光したい、脇道入ってみたい、古城を散歩したい、途中でビール飲みたい;)となると思うように進みませんね。
今回のサイクリングではあまり他の自転車を見かけませんでした。ツーリングとかならランドナーよりMTBの方が多そう。道は比較的走りやすかったと思います。また、自転車専用/自転車歩行者専用道路もありますが、こちらの方がちょっとやっかいで、普通に主要道路に沿ってる場合はいいのですが、時々車道から大きく外れ、わけのわからない所に連れていかれる時もあります (^^; 慣れないせいもあるのか元の道に復帰するのが難しかった。景色はいいのですが、ロングツーリング向けにも、もっと考慮して自転車専用道路を作って欲しいと思いました。また、路面状態が良くない時に専用道路を通らず車道を走っていると、車からクラクションを鳴らされたり、道を歩いているおばあちゃんにも注意された時があります (--; さすが、規律に厳しいゲルマン人の本領発揮と言った所でしょうか。
一般道によってはそのまま高速(アウトバーン)に繋がっててよくわからない所もあります。一度うっかり入ってクラクション鳴らされまくりでした。入った方も恐かった。好きで入ったんじゃないんだよ (^^;
列車に自転車を載せての移動ですが、ドイツの場合は自転車をそのまま載せることが可能です(若干の手数料が必要)。輪行(分解して袋に入れて載せる)の場合は手数料なしです。他のヨーロッパの場合も同様らしいですね。さすがに乗客が多い時は顰蹙ものかも知れませんが、私は気にせず乗り込みました (^^; 一度途中の乗換で車掌に乗車拒否されてしまい、一瞬どうしようかと思いましたが(次の列車は楽に乗れた)。中には自転車専用置場付列車もあります。また、古城街道/ロマンチック街道を走破する観光バスがあるのですが、このバスは自転車搭載可です。「ロマンチック街道全線サイクリング走破はできない」と言う人にも有効だと思います。