1998年夏 長野サイクリング報告


〜まえがき〜

「信州は主な所は行った」学生時代、そう思いこんでいた時期があった。確か
に大学2,3回生の時は信州を走る機会に恵まれ、それなりに色々な所を走った
気がする。

そんな時、たまたま長野の地元の人達と続けて話す機会があり、これまた偶然
かもしれないが、共通して「戸隠には行きましたか？」聞かれてしまった。実
は私はこれまで戸隠に行ったことがない。これを知った時の彼ら妙に勝ち誇っ
た？ような顔（に見えた）を見て、「そのうち戸隠にも行っとかなあかん」と
当時思ったものである。

年月が経ち、今回たまたま３日程休みが取れたので、手近な所を少し走ってみ
るかと考え、久しぶりに戸隠のことを思い出し、長野新幹線も通ったことだし、
行ってみることにした。ついでというわけではないが、好きな安曇野に寄って
のんびり走りたかったので、長野−戸隠−安曇野と繋いでみることにした。


7/5(Sun)  晴  寮（横浜）〜（電車）〜長野−飯綱高原−戸隠−戸隠横倉YH
               (30Km)

予定では５時起床のつもりでオーディオのタイマーをセットしたつもりだった
んだが、午後５時にセットするというお間抜けなことをしてしまい、起きたの
は１時間半後だった (--; まぁ、仕事で疲れている割には自力でこの時間に起
きられたことを評価すべきか。昼になってなくて良かった (^^;

慌てて桜木町まで出て、自転車を輪行して、東京から新幹線で長野に着いたの
は10:30前になっていた。予定より遅いとは言え、新幹線は早い！
長野は一度しか来たことがないのだが、オリンピックのため駅・街はかなり整
備されていたようだ。

昼飯前に善光寺に寄ってみる。この日は駅に着いた時点で既に29℃。信州に来
たのにかなり蒸し暑い。善光寺も一度来たことがあるが全体的には門前町の雰
囲気の残る結構感じのいい所である。前回は入らなかった本堂の中の内陣に
300円払って入る。内陣のさらに奥から戒壇巡りができるということだったが、
はっきり言ってハズレ。真っ暗（本当に真っ暗）な地下通路を通って昔からあ
る南京錠みたいなものを触ることができる（これで仏様との縁が持てるらしい）
が、真っ暗な中歩かされても嬉しくないぞ。こんなの並んでやるもんじゃない
と思ったのは私だけでしょうか？

善光寺を出てから戸隠へ向かっていく。長野から戸隠に行くには「戸隠バード
ライン」という道路が有名だが、いつのまにか有料から無料になってて、新し
く買ったツーリングマップルには載ってなく、代わりに県道506号があった。
実は、戸隠バードラインが走れそうだということも、今回戸隠に行こうと思っ
た理由なのだが。しかし、道の入り方を間違えて別の県道403号に入ってしまっ
た (--;しかも、それに気がついたのはかなり後だった (^^;;;;

今日は本当に暑い。考えたらこんな暑い状況で走るのは久しぶりかもしれない。
荷物が少ないのにきつい坂の連続で本当に大変だった。

飯綱高原に着いたくらいで、ようやく楽になる。ここで「せっかく戸隠に来て
いるのだから」と夕方の食糧補給も兼ね蕎麦を食うことにする。うまい！今回
のサイクリングでは、結局昼はすべて蕎麦だった。

戸隠横倉YHに着いたのは既に18時になっていた。旅館との併営で、夕食は豪華
だった。おかず５品くらいだったかな？食前ワインも出て満足である。今日YH
に泊まったのは私の他には外人２人だけ。夕食中の会話は英語。まぁ、気を遣っ
てもらってゆっくりしゃべってもらったから、ある程度はなんとかわかったけ
ど (^^; 英語の勉強不足は痛感させられます。


7/6(Mon)  晴  戸隠−戸隠神社奥社−鬼無里−大町−安曇野パストラルYH (68Km)

戸隠神社は宝光社／中社／奥社と離れてあるが、前者２つは昨日のうちに行っ
たので、今日は奥社に行ってみる。境内の入り口？で自転車を止めて歩いて本
堂まで行こうとするが、途中で「奥社まであと1900m」という看板を見てびっ
くり。おいおい、あと2Km近くもあるんかいな (^^; とりあえず歩いていくが、
神社と言っても森の中にある社であり、鳥のさえずりが所々に聞こえる。初め
てキツツキらしき鳥が木を突くを見てちょっと感動してしまった。宝光社、中
社とはまったく規模の違う奥社は静寂な雰囲気もありお勧めです。時間があれ
ばもう少しゆっくりしたかった。横には森林植物園があるが、植物を見るとい
うよりも側にたくさんいる鳥を楽しむという感じである。まさに、「バードラ
イン」の終点にふさわしい所である。

戸隠からは県道36, 31号を乗り継いで信濃大町方面に向かうが、３つくらいの
大きな峠を越えていくので、せっかく下ってもまた登りという感じで疲れてし
まう。道自体は途中一部狭い所もあったが全体的には良かった。

大町に入ってからは、安曇野の道をのんびり走る。冒頭にも述べたが、安曇野
は私にとっては取り立てて変わったものがあるわけではないのだが、のんびり
してて非常に好きな所である。

今日の宿泊は安曇野パストラルYH。地理的にも人気があると聞いていたのだが、
この日は飛び込み客のバイクの兄ちゃんと私しか宿泊者はいなかった。周囲に
田畑の広がる建物は、メルヘンチックなとでも言うんでしょうか、女性には人
気の出そうな宿だと思う。夕飯もなかなか良かったです。（翌日の朝食のコー
ヒーが思いっきりインスタントなのはいただけないような…）

ただ、ひとつ非常に残念なのは、特徴の一つである地ビールが「今日はやって
ない」と言われたことだった (;_;) 自販機もなく周囲にも店が見当たらない
ようだったし、落ち込んでいたのだが（これくらいで落ち込むなって (^^;）、
バイクの兄ちゃんが、わざわざ買いに行ってくれた。ありがとう！


7/7(Tue)  曇時々晴れ午後から晴  安曇野YH−アートヒルズ−穂高温泉健康館
          −安曇野ちひろ美術館−大王わさび園−松本〜（電車）〜寮（横浜）
          (40Km)

今日はとにかく帰るだけで特に予定を決めていなかったので、安曇野周辺をブ
ラブラすることにする。

まずはYH近くのアートヒルズへ。地元の特産品やら、安曇野に住む芸術家の作
品（安曇野を題材にした絵などもある）が置いてある。はっきり言って土産物
屋なんだが、見るだけならタダだし、それなりに良かったと思う。

その後、アートヒルズの建物の山手側に酒屋を発見。さらに安曇野地ビールを
見つけた。ちょっと高い（標準サイズのボトルで600円くらいだったかな）が、
これは飲むっきゃないでしょ。朝っぱらからビールも何だが、味はまぁまぁか
な。

時間もあったことだし、せっかくなんで（ビールも抜きがてら (^^)）穂高温
泉に寄る。公衆浴場で300円。ここは２度目だが、さすがに平日は人が少ない。

午後からは、昨日バイクの兄ちゃんにお勧めの、絵本作家岩崎ちひろの美術館
に行くことにする。東京（練馬）にも「ちひろ美術館」があるが、北安曇野郡
松川村は両親が生活をし、岩崎ちひろとも縁が深いということで設立されてい
る。岩崎ちひろの作品の他に、世界の絵本作家の作品を見ることができる。正
直自分は美術に関するセンスは全くと言っていい程ないので詳しい感想は控え
るが、時間があれば寄ってみてはいいかも。場所はすずむし荘という温泉の側
にある。入館料は800円ですが、観光案内所等では100円割引のパンフレットが
もらえます。

その後、高瀬川沿いにできたオリンピックロード（土手沿いなんで見通しは良
いが交通量は多い）を走って大王わさび園に寄る。思いっきり観光地化された
わさび園だが、それなりにきれいに整備されているのでのんびりできる。今日
はわさびソフトは食わなかった。目の前に大きな観光道路ができたのでこれか
らもっと繁盛するんだろうなぁ…

のんびりし過ぎたのか、松本に着いた時には17時を過ぎていた。自転車はバラ
して送ってしまい、スーパーあずさに乗って帰宅となりました。


走行距離 138Km
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おしまい。