1997年沖縄サイクリング報告


〜まえがき〜

話しは夏の北海道まで遡るが、行きの交通手段として ANA を使ったのだが、
丁度キャンペーンみたいなのをやってて、なんかわからんけどとりあえず応募
したら、なんと東京−沖縄無料往復航空券が当たってしまった (^^; こんなの
当たるもんなんだなぁと、ちょっとびっくり。

一瞬金銭に替えようかと思ったが (^^; せっかくタダでもらったものだし、沖
縄には一度も行ったことがないのでありがたく使わせてもらうことにした。時
期は有効期間や自分の都合と合わせて、11月後半の連休に決定。航空券しかな
いし、色々考えたけど、やっぱり「自転車で行こう」ということになった。

沖縄についての知識はごく人並だ(と思う)が、直前にガイドを買ってほんの
少しだけ流し読みして出発することになった。



11/21(Fri)  曇  寮(横浜)〜(電車)〜羽田〜(飛行機)〜那覇−旧海軍指
                令塔壕−首里城公園−国際通り−沖縄国際YH (28.7Km)

今回は出発が平日の 8:45 と、もろにラッシュアワーに被るので、羽田までど
うやって移動しようか迷ったが、結局6時過ぎくらいの京急の各駅(+モノレー
ル)のみを使って羽田まで移動することにした。ちょっと顰蹙かも知れないが
特急に乗らないし朝早いので許してもらおう。

出発の遅れから結局那覇空港に着いたのは昼になってしまった。さすが沖縄は
暖かい (^^; 気温はその時26度!すぐにTシャツ1枚になって自転車を組み立
てる。結局今回の旅行ではサイクリングで宿泊が全てYHだったからというこ
ともあるがカッパ以外の上着を必要としなかった。

空港から少し市街地方面に進んだところでまずは沖縄ソバを。ソバというから
どんなものかと思ったが、色は白くこれでは細麺のうどんかではないかと思っ
た (^^; 味もうどんのほうが近いかも。でも、沖縄ソバは沖縄ソバである;)

今日はあまり時間がないのでウォーミングアップも兼ねて旧海軍指令塔壕と首
里城だけ行くことにした。旧海軍指令塔壕は実はガイドを見るまで知らなかっ
たのだが、旧海軍指令部が最後まで立てこもった(といいつつ彼らは沖縄戦終
結前に自害するのだが)壕である。自殺した時の手留弾の跡もあり生々しい。
それにしても「こんな所に立てこもっても勝てんやろ」という感じであり、改
めて無駄な悲劇と思わざるおえない。

首里城は予想通り観光客一杯で、観光客の記念撮影目当ての沖縄民族衣装を来
た人も一杯いたがそんなのは無視して(でもおねえちゃんは綺麗だったけど)
進む。首里城も沖縄戦で破壊されたが復興が進み、平成6年に建物の中心部が
再建されたようである。新しい建物が観光客向けを感じずにいられないが、な
いよりはあった方がいいだろう。城内には琉球王国の歴史の展示の一部がある。

首里城内のコカコーラの自販機で、茶流彩彩ゴーヤー(沖縄にがうり)茶があっ
たので試しに飲んでみる。値段は100円。沖縄の自動販売機はジュースが全て
100円だとは知らなかった。この値段の差は何なんだ?肝心の味の方はクセを
抜いているのだろう。独特の味はするがまぁ飲める(でももう買わないだろう 
(^^;)。

今日、明日の宿泊は沖縄国際YH。建物は新しく、ホテルのような設備である。
夕食は出ないので、同室の人と近くの紅絹(もみ)という沖縄家庭料理の店へ
行く。とうふチャンプル(野菜いため)、ラフティ(豚の角煮)、豚の耳をコ
コナツミルクで和えたもの、小魚(名前忘れた)の唐揚げ、雑炊、オリオンビー
ル、泡盛(一人で飲んだので次の日はちょっと残った (^^;)などをいただく。
一緒に行った人は酒を飲まないが、それにしても2人で5000円(うち飲物が
2000円くらい?)弱なら、なかなかのもんではないか。沖縄は全般的に飯屋は
安く、食糧の物価は低い。ガソリンもレギュラーで70円くらいもあったな。

紅絹(もみ)
〒900 那覇市泉崎 1-17-16
TEL 866-5151
場所はバスターミナルの近く(裏手)である。

忘れていたが、首里城に行く途中、橋本龍太郎首相に会ってしまった。沖縄本
土復帰25周年の式典かなんかで来てたそうな。そういえば、どこもものすごい
警備だった


11/22(Sat)  雨時々曇  YH−姫百合之塔−摩文仁ガ丘平和祈念公園−玉泉洞
                      王国村−国際通り−沖縄国際YH連泊 (42.5Km)

朝からスコールのような雨。「やっぱり南国だ」と勝手に感じていたが、旅行
中にこれは困る。今日は本島南部の観光日。小降りになったのを見て走り出す
が、やっぱり途中で強く降り出す。ひめゆりの塔に着いた時にはビショ濡れだっ
た。

ご存知ひめゆりの塔は、現場となった壕の跡の周りを整備して慰霊碑となって
いる。沖縄南部は天然の洞窟のようなものが多数あり、これが自然の壕となっ
て皆たてこもったそうだが、ひめゆりの塔もその一つである。ここは壕の入口
しか見えないが、横にある資料館で壕の複製がある。資料館には沖縄戦を体験
た女性が、当時の惨劇を語ってくれる。その他にも沖縄戦を形骸化しないよう
語り継ぐため、行き延びた人達の体験談を資料として多数残している。亡くなっ
た県立第一高等女学校/沖縄女子師範学校の生徒/職員の写真も展示している。
一つ一つ見ていくと時間はあっという間に経ってしまい、結局1時間半以上い
た。ここに来て程度の差こそあれ何かを感じない人はいないだろう。国際的に
も訴えることができるよう、さらなる資料の英語化の努力をお願いします。

次に、摩文仁ガ丘平和祈念公園へ。ここにある健児の塔は、壕となった天然の
洞窟が昔に近い形で残っており、訪れる人も少ないようだしこちらに寄る時間
があればお勧めである(無料)。平和祈念堂は値段が500円以上もする割には
バカでっかい塔があるだけに見えたので県立平和祈念資料館を覗く。ひめゆり
の平和祈念資料館と比べると設備も古く、訪れる人も少ないが、戦争体験談の
資料はひめゆりの平和祈念資料館より多く、沖縄戦当時いつどのようにして逃
げたかという報告が地図で説明されているものは、なかなか興味を引くもので
ある。入館100円だしお勧め。こちらの資料館では「沖縄は本土決戦に備えた
捨て石となった」的な気持ちがちょっと表れているような気もするが…。でも、
ある意味で本音なのかも知れない。

2つの資料館巡りですっかり時間を使ってしまい、最後に玉泉洞王国村だけ訪
れることにした。ここはテーマパークみたいなもんで、愛媛大学の探検部によっ
て発見された玉泉洞という鍾乳洞と、首里城の城下町を再現したという王国村、
ハブやハブに関する情報などを展示しているハブ公園があった(ハブ公園は別
料金で入らなければいけない)。

たまたま行った時間がマングースとの対決の時間とピッタリだったんで、別料
金を払って見たが、はっきり言って「金返せ」という感じだった。最初はニシ
キヘビとの記念撮影サービス(無料)。ま、これはええけど希望者全員撮影可
能なんで待ってる方は長い。ようやく終ってマングース、ハブ、コブラの紹介。
で、コブラとマングースの対決が開始となる。あれ、ハブとちゃうんか〜い!
ま、これでおもろかったらええけど、コブラは全然戦闘意識がなくてマングー
スに向かっていかん。説明のおっさんが、金属の棒で何度も無理矢理マングー
スとコブラをハチ会わせにさせてようやく対決が始まるが、勝負は一瞬。コブ
ラのだらしなさだけが目についた。100人はいようかというお客さんはよく文
句を言わないものだと、変に感心した (^^;

玉泉洞は結構でかくて綺麗な鍾乳洞で、これは良かった。昔秋芳洞に行ったこ
とがあるけど、規模は劣っていても玉泉洞も負けず劣らずなかなかのものであ
る。玉泉洞だけ見物できたらいいのになぁ。

王国村は昔の様々な工房が復元されており、実際に職人さんが作業していて、
作成した展示品を買うことができます。建物自体は新しいし、いかにも観光客
向けだけど、那覇等の都会やリゾート地しか行かない人は、こんな所でないと
昔の建築は見られないかも。

今日は一人で夕食を食う。街をうろうろしていると、「生ビール300円」とい
う焼き鳥屋の看板が目についたので思わず入ってしまう (^^; 地元料理として
は「フチャンプル」を食う。後は普通の焼き鳥食った。値段は覚えてないけど
ここも安く腹一杯になった。


11/23(Sun)  晴  YH−中城城跡−中村家−ゴザ−浜比嘉島−仲泊−真栄田岬
                YH (84.4Km)

ようやくまともに晴れ。ツーリングらしく荷物持ち、本島の東海岸に出て北上
する。が、海岸が見えたのは海岸に出た直後だけで、その後はそれなりの田舎
道 (^^; を進むだけ。沖縄を走って全般的に思ったのは、海岸線を走ると言っ
ても結構アップダウンが多いこと。走行距離以上に疲れる。

まっすぐゴザへ行こうと思ったが時間もありそうなんで、中城城跡と中村家に
寄ってみることにした。中城城跡は丘陵にあり(つまり眺めはいいがアクセス
はちと大変 (^^;)、城跡ヨーロッパの古城のような城壁が残り、日本の城と
は全く違う。今回はたまたま沖縄民族舞踊(というか楽器の演奏かな)を見る
ことができた(なんかの記念行事で会場になったから)。沖縄は古来より様々
な芸術に力を入れていたようで、この点にはどちらかと言えばあまり興味のな
い私も、今回の旅行では色々楽しめたのではないかと思う。

中村家は沖縄では珍しく200年以上も前に建てられた豪華な民家が残っている
(国の重要文化財)。昨日の王国村と違って正真正銘の昔の民家だ。300円な
ので、もし沖縄で昔の民家を見てなくて、車などで近くに行くことがあれば寄っ
て欲しい。

昼食はゴザで食べる。嘉手納基地の側(というか、嘉手納基地のためにできた
街といえる)で、横文字の看板が多い。地元の子供達もどこかアカ抜けたアメ
リカンのイメージである(俺は何を言ってるんだ? (^^;)。特に空港通りと
いう所は、嘉手納基地関係者の原宿とでもいうのであろうか?日本とは思えぬ
風景だった。時間がなく昼食を取っただけだが、もう少し探検したかった気も
する。

今日はせっかく天気がいいので寄り道して長めに走ろうと、与勝半島から平安
座島へ渡る海中道路を通る。この辺りは遠浅の海になっており、半島と島の間
の海の上を 5Km くらいの道路(橋ではない)が通じているのだ。この辺りに
来て初めて海岸線を走っているという実感が湧く。青い海と海岸線、ポツポツ
と小島が浮かぶ景色はのんびりしてていい。時間を考えて、平安座島から今年
2月にできた浜比嘉大橋?を渡って浜比嘉島まで行った。のんびり橋の上/周
りで釣り糸を垂れている風景は、素朴さを感じさせる。私も時間があればなぁ。

浜比嘉島からはそのまま海中道路を折り返し、恩納村の真栄田岬YHへ。設備
は非常に古く、お湯のシャワーが出るまで相当時間がかかる。タイビングをし
に来たホステラーが多かった。


11/24(Mon)  晴  YH−万座毛一名護一(海岸沿いをのんびり走って)一
                真栄田岬YH連泊 (70Km)

今日は今回のツーリングのメインとも言え、恩納海岸を走って名護まで往復す
る。しかし、さすがにこの時期の沖縄の海は特に何もない (^^; スキューバは
できるかな。水からあがると寒いらしいけど。泳ぐにはもう1月早い方がいい
だろう。ということで、シーズンオフの海岸は全般的に静かである。

仲泊からしばらくはムーンビーチ/タイガービーチなどいくつかのプライベー
トビーチが続く。どこからか潜り込めないかとちょくちょく見てみるが最初は
どうもうまくいかない。普通の海岸なら覗けるのだが、どうも狭くて海藻やゴ
ミが海岸に多数残っている所が多い。しかし、そのうちシーズン中なら思いっ
きりゲートとなっているであろう、とあるホテル脇の無人の入口を発見。とり
あえず見学させていただく (_o_)

真栄田岬と名護の中間あたりに万座毛がある。景色はきれいだが、ここだけは
異様に観光客が多い (--; まぁ、泳げないこの時期は、観光スポットは限られ
てしまう。

万座毛を過ぎた辺りから、白砂の海岸が徐々に続くようになる。この辺りにな
るとプライベートビーチでなくても(海岸自体は狭いが)いいスポットが増え
てくる。天気もますます良くなって、青い海が広がる白砂の海岸ということで、
「これぞ沖縄」という感じだった。とうとう途中で靴脱いで裸足になって水に
浸かる。冷たいが気持ちいい。人も少ないし、海岸を寡占状態で最高 (^_^)

私がのんびりしたのは名護市民ビーチ(だったと思う)とか希望ヶ丘の辺りだ
が、他にもいい所がいくつかあった。実際に海水浴をするとなるとシャワーが
欲しい所なんでどこでもいい訳ではないだろうが、のんびりするだけなら色々
あります。

名護に着いてからはメインイベント:)のオリオンビール工場見学。ガイドで
は「前日までに要予約」と書いてあったので心配したが、とりあえず問題はな
かった。30分毎にガイド付で見学できるが、日曜日でラインも止まってるし、
既に生麦の工場を見学したことのある私には意味がない (^^; で、お楽しみの
試飲であるが、コップに注がれた生ビールでももらえるのかと思ったら、グルー
プ毎に決められた席に座らされ、2人に1本ずつ瓶ビールが出てきた (@_@;私
は1人で来たので淋しい気もしたが、1人で1本飲めたので良としよう *^_^*
お土産としてオリオンビールのアルミ缶でできた貯金箱をもらいました。

今日はYHで食事提供されないということで、ヘルパー/ホステラーが車で移
動して、「海ぶどう」という御食事処に連れていってもらう(結構遠い)。こ
こ恩納村は海ぶどうという小さな葡萄のような海藻が名産だそうで、そこから
名前を取った店は当然海ぶどう普及に力を入れている。ポン酢でいただくとツ
マミになかなかいけます。観光客向けの売店でも売ってた。

海ぶどう
恩納村字南恩納 6091
TEL 098-966-2588


11/25(Tue)  曇一時雨一時晴 午後から晴 (^^;
            YH一残波岬一琉球の風スタジオ−国際通り〜(タクシー)〜那
            覇空港〜(飛行機)〜羽田〜(バス)〜横浜〜(タクシー)〜寮 
            (42.5Km)

この日は風が強く、午前中は曇/雨/晴が短い時間で何回も周期的に繰り返す
という、いかにも南洋に浮かぶ島という感じのサイクリスト泣かせの天気だっ
た。

まずは残波岬へ移動したが、タイミング良く晴れ。岬の先端は青い海を300度
見渡せることができ、視界良好。しかし、風が強かった。自転車で移動中は時
折突風が吹くとまっすぐ走れない。車が少ないからまだいいものの怖い。

今日は距離も短く時間もありそうなんで、テーマパークであるが琉球の風スタ
ジオへ行く。NHK 大河ドラマ「琉球の風」のセットやロケ風景の写真が展示さ
れている。実は私自身はドラマを一度も見たことがなく、あまり感動がなかっ
たのだが、ここもそれなりに(セットではあるが)いろいろな建物を見ること
ができる。周りは何もない場所であるが、写真を見る限りではロケ中は一大観
光地となっていたようで、改めてテレビの威力を感じる。

昼食は読谷村の基地の前のお食事処満点 (TEL 956-9792) という所でソーキ
(豚のアバラの部分を煮込んだもの)そばを食う。中に入るとほとんど米軍兵
だった。$1=\110 という表示があった。

嘉手納基地を通って那覇まで無事到着。沖縄最後の食事は、国際通りから細い
平和本通りにある第一牧志公設市場で。1Fに魚屋があって、そこで買った食
材を2Fの食堂で料理して食べさせてもらった。値段は、以下のような感じ。

伊勢海老(小さいの半身)1,000
小タイ?(わかりません)1,500
刺身盛合(何種類かの魚)1,000
調理手数料                500
生ビール(勝手に頼んだ)  500
------------------------------
計                      3,500

これで伊勢海老の刺身、魚の刺身(「イラブチ」だったかな?表面が青い魚も
あった!)、タイ?のあんかけ、伊勢海老とタイの頭を入れた味噌汁で、腹一
杯になった (^_^) 値段的には沖縄の食事にしては少し高いかも知れないが、
新鮮な魚も食えたし良かった。最低3品からでないと調理してもらえないよう
なんで、一人だとちょっと魚の量が多いかな。2人以上だと食堂でちゃんぷる
とかを頼んでもう少しお得になるだろう。伊勢海老の刺身はさすがにうまい。

本当は自転車は宅急便で送ってしまおうかと思ったが、9000円以上取られると
言われたので自分で寮まで持って帰った。ちょっと時間的に電車に乗るのは顰
蹙に思えたのでバスとタクシーを使った(走る元気はなかった (^^;)。


走行距離 268.1Km
---
おわり

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